③nico、『偽りトライアングル』、ネタバレ含
nico、2017、『偽りトライアングル』、講談社・一迅社、アニメイトブックストア
レーベル:gateauコミックス
ネタバレ注意です
私がBL初心者だった頃、pixivで「きみはジキルとハイド」という作品を見つけた。
「きみはジキルとハイド」/「にこ山P蔵/nico」のシリーズ [pixiv]
面白かったんだけど、話が途中から始まっていることに気が付き、その前のお話が描かれているコミックスを購入した。
登場人物
あらすじや、登場人物については、こちらを読んだほうが早いかな。
登場人物の設定がけっこう複雑なんだよね。
攻が、漆島直哉(雄哉)。
受が神田太一。
実は、攻が2人いるのは、二重人格だからなんだ……!しかも、この2人は性格が真逆なの。
直哉は、真面目・根暗の不思議な性格、頭が良いメガネ……。私、メガネのキャラ大好きすぎて、メガネかけてるだけで倍イケメンに見えるんだけど、それでも直哉には「いまの直哉はカッコよくないぜ!……」って思ってしまうときがあるw
大学に入ってからも周りから浮いてしまいがちだったが、太一に出会って、恋をする。
一方、雄哉は、女好きでけっこう暴力的な性格。直哉が幼いころに起こった、あることをきっかけに現れるようになる。
太一は、黒髪受!!!きた!私の思う、王道!笑 けっこうおバカさんだけど、超前向き!で、魅力的な受よ。
メインキャラだけで、3人いる感じがするのは、なかなか珍しいのかな?
みんな、大学生なのもいい。太一と直哉の出会いも、太一が入っているバスケサークルも、大学が舞台だからこそな感じがするしね。
あらすじ
太一は、友人とのじゃんけんに負けてしまい、直哉をゼミのグループ研究チームに誘う。その後、直哉から懐かれるようになり、太一は大勢の前で公開告白される。
返事を保留にして、帰宅した太一の家に、突然直哉が訪問しにくる。しかし、その様子は普段の直哉とは異なり、まるで別人。太一は押し倒され、「危うく人殺しになるところだったぞ?お前*1」と言われる。その正体は、直哉のもう1人の人格である雄哉だった。雄哉は、直哉と付き合おうとしない太一を脅すためにレイプをする。その翌日から、太一は、雄哉の記憶が無い直哉と付き合い始める……。
雄哉の存在意義について
私は、直哉の前に雄哉が現れたのは、直哉が生きるために必要になったからだと考える。いなくてはならなかったのだと。
雄哉は、なにもかもが直哉とは正反対。直哉が苦手な、スポーツも女遊びも器用にできてしまう。直哉がネガティブなときには励まし、いじめられるときには代わって相手をボコボコにする……。
いままで、雄哉は、トラブルが起きがちな直哉を守るようにして現れていたけれど、それが本当に直哉のためになっていたのか……。直哉が望んでいたことではないのではないか……。
太一は、直哉と仲良くなるにつれ、真剣に直哉と雄哉がもつ問題を考えるようになり、核心をつく発言をするようになる。上記の、雄哉が、直哉の代わりに何かをやることは、直哉が望んだことなのかというところはまさにそう。
太一が直哉を好きになるはずがないと思っていた、雄哉にとっては、そんな太一の言動がおもしろくない。最終的に、雄哉は大暴れしてしまうんだけど……。
雄哉は 、直哉にとって、雄哉が不必要になるということを、恐れているんだよね。
「自分が守ってあげないといけない」と言い聞かせるけれど、いざ守る必要がなくなったとき、同時に雄哉も必要がなくなる。既に直哉は、暴力をふるってしまう雄哉を捨て、雄哉がいなくても大丈夫だと、証明しようとしていた。
雄哉は、今後いなくなってしまうのか。直哉や太一との関係は、どうなるのか。
そのようなところも楽しめるので、ストーリー重視の人にオススメかな。
赤字多すぎて目がチカチカするね。
太一が直哉に与えた希望
太一に出会うまでの直哉は、人生を楽しむことを諦めていたようにみえた。
「生きてたって何一ついいことなんかないと思ってたのに*2」という部分で、私はすごく苦しくなってしまった。「楽しいことを想像して生きよう」「過去にとらわれるな」と口では簡単に言えるけれども、未来を考えるほど絶望しかないことだってあるだろう。
太一が長所をみつけて、ありのままを受け入れてくれた。それが直哉にとっては大きなことだった。でも、誰にとってもそういう存在って必要だし求めているよね。支えてくれる人がいると、頑張ろうって思えたり、つらいときも立ち直れたりする。
重い話じゃないよ
ここまで、すごく重い話のように思えていたら申し訳ないけれど、実はすごくコメディタッチの作品ですw
真剣なシーンと、笑いとのバランスが私は好き。
ただただエロいだけじゃない、人間関係の良さも感じられるBLが大好きです。ちなみに、この本のなかでR-18だなーってシーンは、レイプシーンだけです。
本作品を機に、「作者買い」をするようになったよ。
この記事、感情が入りすぎてどう終わったらいいか分からなくなったので、今日はここまで!
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!!